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特集記事

Vol.182 -- 2015 年 06 月号

徳川文武の「太平洋から見える日本」

第七十三回  二回目の東京オリンピック大会に向けて

日本で初めて開催された一九六四年東京オリンピック大会は、「大日本帝国の軍部が主導で始まり、国民に大きな犠牲を強い大敗した太平洋戦争」から日本が復興し、「民主主義、国際社会への復帰、国力の再興」を表現することが目的だったと思う。その五十六年後、二〇二〇年に二回目の東京オリンピック大会を開催する思惑は、主催者側などの商魂か。

今回スポーツ庁を文科省の外局として新設することが国会で決定した。先進国の中にスポーツ担当の省庁がある国も多い。これらの国は、もともと市民運動が盛んな民主国でスポーツ法典まである。日本のスポーツ界で横行するいじめや暴力、親分子分や年功序列の慣行は、日本社会に深く根ざす儒教思想が根源のようだ。日本のスポーツ庁の運営はお上ではなく、空前の利潤を上げた民間のトヨタや三菱銀行グループが中心になり、大企業や大資産家から大基金を集めたらどうか。巨大企業からの社会還元は欧米先進国では常識なのだが。

オリンピックの金メダル数やノーベル賞受賞数になぜこだわるのか
二〇〇八年北京大会でメダル数は、中国、米国が断然多く日本は二十五個で八位だ。二〇一二年までノーベル賞累積数では、移民国家米国が三百以上と圧倒的に一位、戦後参加の日本は十八個で八位、台湾(科学賞)と中国(文学賞)は各々二個で二十七位だ。日本の金メダル数やノーベル賞受賞数にこだわるのは誰なのか。北欧諸国のように、国民の幸せ度が高い方がよほど重要だと思う。

政治に大きな自信を示す自民党の現政権は、戦後七十年間に歴代自民党政権が作り出した、米国にはない累積千兆円超(十兆ドル)もの赤字

責任がある。七十年談話を書くなら一行忘れないで欲しい。米国で巨額の国債などを発行し続けた張本人は、レーガン政権から息子ブッシュ政権までFRB議長を務めた、ユダヤ系人のグリーンスパン(在位一九八七年から二〇〇六年)である。日本は「財政赤字」について米国をまねたが、米国は日本から「財政危機回避」について多くを学んだ。

子供の体力・運動力が毎年低下の日本
文科省の統計では、子供の体力・運動力はこの半世紀毎年低下している。原因は育ち盛りの子供の運動不足だと言う。学習塾通いのため自由な時間がなくなり、子供が遊び回らなくなった。これではスポーツの祭典も泣く。家計を圧迫する学習塾通いの目的は、学校の勉強に追いつくためや、「将来の就職に有利な」有名校受験だ。大学は独自の学力試験で学生を入学させる。日本の雇用者は有名校の新卒を好むから、受験戦争はなくならない。その理由は、高卒までの学習・活動履歴の総合的評価ができないので、雇用者は最終学歴を偏重・信用するからだ。日本では少子化対策のために、いろいろの入学制度が出来上がってしまった。

子供六人に一人が貧困家庭にある日本

テレビ番組によると、子供六人に一人の多くは貧困片親家庭に属する。これらの子供たちは一日三食が満足に食べられないこともあり、学校でも部活動に必要な金がなく参加できず、修学旅行に行けなかったりする。かれらは拡大する経済格差の最大の犠牲者だ。世界統計によれば、日本の子供の貧困さは先進国の中でも最低水準だ。理由は家族に対する生活保護の資格が厳しいか、申請をしない人が多いためだ。いろいろな役所から出る支援制度が知られない場合も多い。

貧困な片親家庭に支援が届かない日本
西欧の先進国社会では、現実に貧困家庭に生活支援の手が届く。日本では労働者家族の平均年収は四百四十万円、片親家庭の平均年収は百八十万円だ。低収入だと複数のパート職で働く必要があり、子供を保育園に入れる費用もままならない。収入が低い主な原因は、賃金の一部を上納する派遣労働だからである。西欧では同一労働同一賃金は常識になっている。日本は世界一の長時間労働国で、最低賃金も先進国中最低だ。疲れきった家庭に笑顔はない。

こどもが笑顔一杯の日本、老人が元気に働く日本、身体が不自由な人が幸せに見える日本、これは最大の歓迎の姿だろう。重要なのは、世界一の鉄道や、世界一の日本食や、たくさん世界遺産があることではない。きれいな日本服を着飾った旅館の女性が外国語で挨拶しても「おもてなし」にはならない。外国人観光客は、見せかけの日本を見たいとは思わない。東京オリンピックの予算や工事が優先し、災害復旧・復興が後回しだと、世界の人々が聞いたら驚くだろう。日本には国民に開かれた社会福祉がなかったのかと驚くだろう。日本のためになる政策を国民一人一人が考えなくてはならない。

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